See Saw gallery

8.27 sat − 10.29 sat 2016

佐藤克久何かは何か

私は絵を描くのが好きで、それが美術だという事を知り美術を好きになりました。大人になるにつれ好きだからという理由だけではどうやらイケナイらしいと、難しい事も増えてきました。作品の良し悪し(私が考えるよい作品の基準の一つは、作品に対峙した時に、素晴らしい景色への感動と同等かそれ以上の感情が沸く事です)以外に、売れるとか売れないとか、有名になるとかならないとか、複雑な思惑がうごめいているこわい世界、小さな業界でもあります。小さな事ばかり気にしていると嫌な気持ちになりがちなので、大好きな巨匠達の住む美術史と自分を比較し文脈化すれば、気持ちも健全になり何だか攻められにくい事も学びました。ルールを身につけたともいえます。美術に携わる上で山のようにある報われない事柄を引いていってもまだ何か残っているのだから美術は飽くことのない広い世界で面白くやり甲斐があるのだと思います。なんだかんだ美術を続けられている事は本当に幸せです。築いてきた人との繋がりが大きな支えとなっています。
今回はその繋がりを可視化する試みでもあります。私の個展に加え、3世代の企画者とともに展覧会を作ることにしました。壁ぎわの冨井大裕氏、末永史尚氏は苦楽を共にしている同世代、天野一夫氏は信頼できる指針を持つ上の世代、成相肇氏は勇気をくれた下の世代です。それぞれの企画はじめてのものばかりです。See Sawの新しいスペースに相応しい展示になるでしょう。
「何かは何か」とは、「何か」を具体的に定義するのではなく、「何か」をまだ見ぬ「何か」のまま引き受ける決意表明なのです。

SATO Katsuhisa

1973年広島県生まれ、愛知県在住
「あいちトリエンナーレ2016」[8月11日~10月23日、名古屋市美術館会場]参加アーティスト

https://satokatsuhisa.jimdo.com

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8.27 sat − 9.17 sat 2016

壁ぎわDM展( 1 )

DMとは何だろうか。展覧会が過ぎた後に残されたDMを主役として、展覧会=人が何かの発表をする機会にかける思いとは何かを考察する試みである。[壁ぎわ]

DM選者:佐藤克久
企画:壁ぎわ

壁ぎわ

2006年より東京を中心に特定の場所を持たず活動。
アーティストの冨井大裕が運営、画家の末永史尚がサポートメンバーとして参加。近年ではアーティストやキュレーター、美術批評家の対話を「壁ぎわポッドキャスト」として発信。

http://kabegiwa.com

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9.21 wed − 10.8 sat 2016

郷 正助ヘノヘノもヘじ

企画:成相 肇

郷 正助

1988年神奈川県生まれ、在住。画家。
主な展覧会に「imago mundi」(Luciano Benetton Collection、ヴェネチア、2013)、「太陽がいっぱい」(switch point、東京、2014)、「because of sunshine!」(シャトー2F、東京、2014)など。

成相 肇

1979年生まれ。東京ステーションギャラリー学芸員、美術批評、基礎芸術。主な企画に「石子順造的世界―美術発・マンガ経由・キッチュ行―」(府中市美術館、東京、2011-2012)、「ディスカバー、ディスカバー・ジャパン」(東京ステーションギャラリー、東京、2014)など。

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10.15 sat − 10.29 sat 2016

谷澤紗和子むろ

企画:天野一夫

谷澤紗和子

大阪府生まれ、京都府在住。美術作家。
主な展覧会に「亡霊―捉えられない何か」(瑞雲庵、京都、2016)、「化け物展」(青森県立美術館、青森、2015)、「六甲ミーツアート2014」(六甲山、兵庫)など。

https://www.tanizawasawako.com

天野一夫

1959年東京都生まれ。美術評論家。
主な企画に「近代の東アジアイメージ―日本近代美術はどうアジアを描いてきたか」(豊田市美術館、愛知、2009)、「変成態―リアルな現代の物質性」展(gallery αM、東京、2009-2010) 、など。

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